フェイスラインのもたつきや、夕方になると目立つ乾燥。鏡を見てため息をついた勢いで「美顔器」と検索したものの、EMS、イオン導入、LED、スチーマーと聞き慣れない言葉が並んで、そっとページを閉じた——そんな経験はないでしょうか。
美顔器は、同じ名前でもタイプによってできることが分かれていて、筋肉にはたらきかける機械と蒸気を当てる機械では役割がまったく別ものです。
この記事では、4つのタイプの違いから整理します。そのうえで、買ってから後悔しないために押さえたい4つのポイントと、タイプ別に選んだ9アイテム、使い始める前の注意点までまとめました。
どれを選べばいいか決めきれずにいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
美顔器はタイプごとに役割が違います
家電量販店の美容家電コーナーに行くと、形も価格もばらばらの機械が並んでいます。見た目では違いが分かりませんが、中身は大きく4つのグループに分けられます。
表情筋にはたらきかけるEMS・RFタイプ
EMS(=微弱な電気を流す仕組み)で、自分では意識しにくい表情筋にはたらきかけるタイプです。フェイスラインのもたつきが気になって美顔器を探し始めた方は、まずここが候補になります。
RF(ラジオ波=肌を温める高周波)を重ねた機種もあり、温めながらケアする仕組みです。冷える季節に手が伸びるのはこちらでしょう。
美容成分を角質層まで届けるイオン導入タイプ
イオン導入は、電気の力を借りて化粧品の成分を角質層まで届ける仕組みです。手で塗るだけのお手入れに一段階足したい方に向いています。
汚れを引き出す「イオン導出」まで備えた機種もありますが、そちらは次の複合タイプに多く見られます。
光を含む複合タイプ
肌に光を当てるタイプです。光の種類ごとに用途が分かれていて、メーカーはそれぞれの使い分けを説明しています。
この記事で取り上げる2点も、光にEMSやイオン系の機能を重ねた複合機です。落とすケアから入れるケアまで1台にまとめた構成は、このグループに多く見られます。
照射する機械なので、保護メガネを付属させたり、まぶた周辺には使わないよう定めたりしている製品があります。購入前に取扱説明書の該当ページを確認しておくと安心です。
温かい蒸気を当てるスチーマータイプ
顔に蒸気を当てるタイプで、肌に電気を流す仕組みは使いません。とはいえ注意事項は製品ごとに違うので、取扱説明書の「安全上のご注意」には必ず目を通してください。
多くはコンセントが必要です。置き場所を作れるかどうかが分かれ目になります。
美顔器選びで押さえたい4つのポイント
タイプが分かったら、次は自分の生活に合うかどうかを見ます。カタログのスペックより、この4つのほうが「使い続けられるか」を左右します。
1. 肌悩みから逆算して、必要な機能を絞る
機能の数から選ぶと、上位機種ばかりが候補に残ります。メーカーが想定している用途から逆算すると、次のように分かれます。
- フェイスラインまわりに使いたい → EMS・RFタイプ
- スキンケアの浸透(*角質層まで)を助けたい → イオン導入タイプ
- 使いたい機能を1つに絞れない → 光を含む複合タイプ
- 乾燥対策やクレンジング前の準備に使いたい → スチーマータイプ
感じ方には個人差があります。口コミの点数より、自分がどこに使いたいかで選びましょう。
使う機能を増やすほど手順は増えます。
全部使わないまま引き出しに眠らせるくらいなら、1つに絞ったほうが結果的に続きます。
2. 1回にかかる時間が、毎日の生活に収まるか
入浴と歯みがきを終えたあとに、さらに10分。それを平日の夜に取り出せるかどうかが分かれ目です。
1回の目安時間は製品ごとにまったく違います。4分で終わるものもあれば、装着したまま10分、蒸気なら約12分かけるものも。
手がふさがるかどうかも見ておきたいところ。装着型なら、その時間でストレッチや洗濯物たたみを済ませられます。
3. 手持ちのスキンケアがそのまま使えるか
本体価格だけで判断すると、あとから差が出ます。一緒に使う化粧品を指定されると、買い足しが続くためです。
普段の美容液や乳液と併用できるもの、粘度の低い化粧水しか通らないもの、専用の美容液が同梱されるもの。条件は製品ごとに違うので、購入前に公式サイトで確かめておきましょう。
4. 防水かどうかで、使える場所が変わる
防水仕様なら、入浴のついでに浴室で済ませられます。
ただし「浴室で使える」と「湯船につかったまま使える」は別ものです。防水等級が高くても、水に浸かっている部分には使わないという注記が付くこともあります。
防水と書かれていても、対象がヘッド部分だけという製品もあります。
防水でない機種を浴室に持ち込むのは故障のもと。公式サイトに「浴室では使用しないでください」とあれば、表示どおりに使いましょう。
タイプ別のおすすめ美顔器9選
ここからは、4つのタイプに分けて9点を紹介します。メーカー公式サイトで仕様を確認できたものから、性格の違うものを並べました。
価格や在庫は変わるため、最新の情報は各販売ページでご確認ください。
EMS・RFタイプから3点
EMSは、ケアの間に手を離せるかどうかで使い勝手が大きく変わります。
顔だけに使うのか、首から下も同じ機械で扱いたいのか。ここを先に決めておくと候補が絞れます。
手順が1つで終わるのか、モードを切り替えて何段階か進めるのか。この違いも、続くかどうかを分けます。
メディリフト アクア EX(ヤーマン/EPM20TB)
シリコーンマスクを顔に装着して使うタイプで、公式サイトでは「1回10分、つけるだけ」「防水タイプの最上位モデル」と説明されています。浴室で使う予定があるなら、水に浸けてよい範囲を購入前に確かめておきましょう。
バイタリフト かっさ(パナソニック/EH-SP86-K)
かっさの形をしたヘッドを手で動かして使うタイプ。公式サイトによると、顔のほかデコルテや二の腕にも使えます。
- EMSは6段階、温感は2段階
- 付属ジェルのほか、普段の美容液・乳液・アイクリームと一緒に使える
- オイルやスクラブ系との併用は不可
- 防水仕様(IPX7基準)。ただし入浴中、水に浸かっている部分には使用しない
- 1回の使用時間の目安は公式に明記なし
ELEKI LIFT(Brighte/楽天・公式は BRT-FL170、Amazonの表記は BS-A018)
洗顔のあと CLEAN で拭き取り、続けて LIFT。メーカーはこの順番を案内しています。
- CLEAN(イオン導出)とLIFT(EMS・イオン導入・青色LED)は毎日1回
- HEAT(RFと赤色LED)は1日以上あけて週2〜3回まで。使う日は HEAT → CLEAN → LIFT の順
- CLEAN はコットンに化粧水か精製水を含ませて使う。専用ジェルは別売
- 防水仕様(IPX6)は電極ヘッド部分のみ。本体ごと水に浸けることはできない
- 使える部位は頬・額・口元・ほうれい線・目元・首筋・フェイスライン
- 本体サイズ・質量・充電時間は公式に明記なし
この機種のチェックポイントは、別の記事にまとめています。
イオン導入タイプから2点
導入タイプは、一緒に使う化粧品の条件で候補が変わります。手持ちを使い続けたいのか、専用品ごと揃えたいのかで、見るべき場所が違います。
いずれにしても、いつものスキンケアに1工程足す使い方です。
イオンエフェクター(パナソニック/EH-ST78-N)
ブライトニング・スキンクリア・保湿・クールの4モードを搭載し、手持ちの化粧品と合わせて使います。公式スペックでは1回の使用時間がベーシックプランで8分、フル充電で約3回使え、本体は約145gです。
防水の可否は公式に記載がないため、水まわりで使う予定なら確認しておきましょう。
ミーゼ グロウクリアブースター(ヤーマン/MS77・Amazonは限定モデルMS77WAM)
イオン導入とRF(ラジオ波)、EMSを重ねた1台で、ヘッドはコンパクトな形状です。併用美容液「ミーゼ グロウブースターセラム 20g」が同梱されるため、まず追加費用なしで試せます。
- 上まぶたには使用しない(下まぶたと目尻は使用可)
- 1回の使用時間の目安と防水の可否は公式に明記なし
- 使い続ける場合のセラムの買い足しは、公式サイトで確認を
光を含む複合タイプから2点
複合機は、搭載する光の種類と、ほかの機能をどこまで載せているかで構成が大きく変わります。
選ぶときに見ておきたいのは、機能ごとの使い方が示されているかどうか。指定があるほうが、初めてでも順番に迷いません。
MiRAY ONE(MYTREX/MT-MRO-24W)
メーカーが「ホワイトフォト」「ハリフォト」と名付けた2種類の光に、EMSとイオン導入・導出を加えた5機能。最短4分でケアが完了するとされています。
- 使用頻度は機能ごとに設定(イオン導出は2日に1回)
- 保護メガネが付属。初回はパッチテストを推奨
- 耳・くちびる・まぶた・目のまわり・のどぼとけには使用しない
- 防水の可否は公式に明記なし。電源コード式で本体は約314g
マルチフェイシャルスパ(PLUEST/pl_mfs)
赤色LEDを含む6モード構成で、頻度の目安はEMSが週1〜2回、RFが週2〜3回。1回あたりの上限時間は公式に明記がないため、取扱説明書で確認してください。
防水ではないので、浴室では使えません。
スチーマータイプから2点
スチーマーは、蒸気以外にどこまで機能を載せるかで、価格も置き場所も変わります。
どちらも給水が必要です。置き場所は先に決めておきましょう。
スチーマー ナノケア コンパクト(パナソニック/EH-SA3D-C)
ナノサイズの温スチームが約40℃(ノズル先端から約20cm)で出ます。タンクは約90mLで、給水量によって約12分・6分・3分と使い分けられます。
本体は高さ16.3×幅10.4×奥行14.8cm、質量は約0.7kg。洗面台に置くなら、この寸法を目安にしてください。
ピュアブライトスチーマー(SALONIA/Amazonは限定色SAL22207SL)
温スチームと冷ミストに加え、手持ちの化粧水をミストにする機能を搭載。クレンジング約3分、スキンケア約6分20秒、クリア約10分30秒など、6つのモードを使い分けられます。
ミストに使えるのは、粘度の低いさらさらしたタイプの化粧水です。水と化粧水は毎回新しいものに入れ替えます。
使い始める前に確認しておきたいこと
届いた日にいきなりフルパワーで、というのはおすすめしません。開封したら、まず取扱説明書の「安全上のご注意」に目を通してください。
メーカーが決めた頻度と時間を超えない
「たくさん使えば早く変わりそう」という発想は、美顔器には当てはまりません。1台の中でも機能ごとに間隔が分かれていることがあるので、本体単位ではなく機能単位で確認しましょう。
使いはじめは週2〜3回、1ヶ月後から1日1回程度と、段階を置く製品も見られます。1回の時間も8分や10分と決まっているので、表示された時間で切り上げてください。
使えない人・使えない部位がある
電気を流すタイプには、はっきりした制限があります。
- ペースメーカーなど体内植込型医用電気機器を使用している方は使用不可
- 心臓疾患のある方、温度や刺激の感覚が自覚できない方も対象外と定めているメーカーがある
- 妊娠中は使用できない場合があるとして、医師への相談を求めているメーカーもある
- 使える部位の線引きは機種ごとに違う(上まぶたは不可・下まぶたと目尻は可、耳やくちびる、のどぼとけは避ける など)
通院して薬を服用中の方、アトピー性皮膚炎など皮膚に既往症のある方は、使う前に医師へ相談を。
初めて使う日はパッチテストから
初回使用時のパッチテストを推奨しているメーカーもあります。試す部位や方法は取扱説明書に従い、肌に合わないと感じたらその時点で使用をやめてください。
同じ場所に当て続けないことも大切です。取扱説明書には「必ず肌の上で動かしながら使う」「オーバーケアをしない」と書かれています。
美容医療を受けたあとは間隔をあける
美容医療の施術を受けた場合、施術後2週間は使用を控えるよう案内されています。ヒアルロン酸注入やボトックス、糸リフト、HIFUなどが施術例として挙げられています。
再開するときも自己判断は避けて、医師に確認してからにしましょう。対象となる施術は製品ごとに違うため、取扱説明書の該当ページに目を通しておくと安全です。
肌の状態に不安があるときは、サロンでフェイシャルを受けたときに担当者へ相談しておくと判断しやすくなります。
4つのポイントを押さえれば、美顔器選びはぐっと絞り込めます
今回は、美顔器のタイプ別の違いと、選ぶときに押さえたい4つのポイント、タイプごとのおすすめ9点を紹介しました。悩みから機能を絞り、時間・化粧品・防水の3点を確認すれば、候補はかなり絞り込めるはずです。
1回の時間が生活に収まる1台なら、続けること自体の負担も軽くなります。
気になるタイプが決まった方は、ぜひ公式サイトの仕様まで見比べて、自分に合う1台を選んでみてください。